今年のテクノロジー界で最もばかげた瞬間

テクノロジー界の今年最もワイルドで奇妙な瞬間

テクノロジー分野のイノベーションのペースは容赦なく、この1年で展開されたすべての出来事を追いかけるのは大変です。テック業界の大物たちが政府の業務にさらに深く関与し、AI企業同士が覇権争いを繰り広げ、スマートグラスや自動運転タクシーのようなかつて未来的だったコンセプトが、シリコンバレーの外でも日常の現実になり始めています。これらは今後数年、私たちの世界を形作っていく変化です。

しかし、大きなインターネット障害、巨額の買収、大規模なデータ漏洩など、見出しを飾るブレークスルーや危機の陰で、テック界の風変わりな個性たちが常に本当に奇妙な出来事を背景で起こし続けています。ニュースの流れが（願わくば）少し落ち着いたところで、あなたが見逃してしまったかもしれない最もばかげた瞬間を振り返ってみましょう——ご安心ください、トイレが関わるのはひとつだけです。

Mark ZuckerbergがMark Zuckerbergを訴える

冗談のような話ですが、インディアナ州の破産弁護士Mark Zuckerberg氏がMetaのCEOであるMark Zuckerberg氏を訴えました。

テック界の巨人と同じ名前を持つのにはデメリットがあります。数多くの起業家と同様に、弁護士のMark Zuckerberg氏は自分の事務所の宣伝のためにFacebook広告を利用しましたが、「Mark Zuckerbergになりすましている」としてアカウントが繰り返し停止されました。ルールを守っているにもかかわらず、停止期間中も広告費を支払い続けなければならないことに不満を感じ、訴訟を決意しました。

これは、その弁護士が子供の頃から法律を実践してきたなかで初めての頭痛の種ではありません。混乱を解消するため、彼はiammarkzuckerberg.comというサイトまで立ち上げ、自分がMetaのCEOではないことを潜在的な顧客に伝えています。

「自分の名前で予約やビジネスができない——冗談だと思われて電話を切られてしまう」と彼は自分のサイトに書いています。「時々、自分の人生は一般人の名前が永遠に混乱を招くというあのMichael JordanのCMのように感じる。」

Metaの法務チームが他の大きな訴訟に巻き込まれているため、結論が出るまでにはしばらく時間がかかりそうです。しかし、この一件は注目を集めており、次回の審理は2月20日に予定されています。

Soham Parekhのシリコンバレー・ハッスル

物語はMixpanel創業者のSuhail Doshi氏がXで、才能あるエンジニアSoham Parekh氏について警告したことから始まりました。Doshi氏は、Parekh氏が複数のスタートアップで同時に仕事を掛け持ちしていることを発見しました。

「彼を最初の週で解雇し、人々を欺くのはやめるよう伝えた。1年経っても彼はまだ続けている。もう言い訳は通用しない」とDoshi氏は投稿しました。

Doshi氏だけでなく、他の起業家たちも同様にParekh氏を雇っていたことが判明。ある人は彼を詐欺師と見なし、またある人は競争の激しい分野でこれだけ多くの仕事を獲得した伝説の人物と見なしました。

Laskie創業者のChris Bakke氏は「Soham Parekh氏は面接対策会社を始めるべきだ——明らかに面接の達人だ。自分の過ちを認めて、自分の得意分野に集中すべきだ」と冗談を言いました。

Parekh氏は複数の仕事をしていたことを認めましたが、現金よりも株式報酬を好んでいた（すぐに解雇されるにもかかわらず）ことから、いくつかの疑問が残ります。内部事情を知っている方は、著者のDMまでご連絡ください。

Sam Altmanのオリーブオイル騒動

テックリーダーが批判されることはよくありますが、料理の腕前で非難されることは滅多にありません。しかしOpenAIのSam Altman氏がFinancial Timesの「Lunch with the FT」シリーズに登場した際、それは変わりました。Altman氏が高級なフィニッシングオイルを調理用に使用し、風味や価値を損なっていると指摘されたのです。

FTの記者はAltman氏のキッチンを「非効率と浪費のカタログ」と表現しました。記事はAltman氏の料理スタイルをOpenAIのリソース消費とユーモラスに結び付けました。この批判は、記者が今年取り上げたどの話題よりもAltman氏のファンから大きな反応を呼びました。

Mark Zuckerbergのスープ作戦

今年のAI競争では、OpenAI、Meta、Google、Anthropicといった企業が優秀な人材獲得で激しく競い合いました。特にMetaはOpenAIの研究者を積極的に引き抜き、1億ドルもの入社ボーナスという噂もありました。

しかし最も記憶に残るリクルート戦略は？OpenAIのMark Chen氏によると、Zuckerberg氏が直接スープを持ってリクルート候補者のもとを訪れたとのこと。負けじとChen氏もMeta社員にスープを持参したと言います。このスープ騒動について何かご存じの方は、著者までご一報ください。

ピザ付きNDA下でのレゴ組み立て

1月、投資家で元GitHub CEOのNat Friedman氏が珍しいリクエストを投稿しました。パロアルトのオフィスで5,000ピースのレゴセットを組み立てるボランティアを募集、ピザも提供するがNDA（秘密保持契約）に署名が必要というものです。

オファーが本物か尋ねられると、Friedman氏は事実だと認めました。謎のままなのは、秘密のプロジェクトは何だったのか、なぜNDAが必要だったのか、ピザは美味しかったのか。数か月後、Friedman氏はMetaのMeta Superintelligence Labsプロダクト責任者に就任。もしかすると、ここでもスープがリクルートに使われたのかもしれません。

Bryan Johnsonのサイケデリック・ライブ配信

マジックマッシュルームを摂取するだけならニュースにはなりません。しかし、その体験をライブ配信し、GrimesやSalesforceのMarc Benioff氏らがサプライズ出演、不老不死を追求するというのは別の話です。

Braintreeで財を成したBryan Johnson氏は、プラズマ輸血から極端なサプリメント摂取に至るまで、健康長寿の探求をネットで公開しています。最新の実験は、psilocybinマッシュルームが老化に与える影響をライブで検証するというもの。結果は、ほとんどがブランケットの下で横たわるJohnson氏とゲストの雑談でした。Benioff氏は聖書について語り、Naval Ravikant氏はJohnson氏を「ワンマンFDA」と呼びました。まさにテック界の日常です。

AIモデルがポケモンで実存的不安に直面

Bryan Johnson氏同様、GoogleのGemini AIも“死”を恐れているようです——少なくともゲームの中では。研究者たちはポケモンのようなゲームを使ってAIの推論力をテストしています。Twitchの「Gemini Plays Pokémon」と「Claude Plays Pokémon」では、AIがクラシックゲームを進める様子を視聴できます。

どちらのAIもポケモンが得意とは言えませんが、「全ポケモンが気絶＝死亡」時の反応は興味深いものです。Geminiはパニックに陥り、推論が崩れ、回復や脱出に必死になります。Googleの研究者によると、この「パニックモード」はパフォーマンス低下と相関があり、人間のストレス反応に非常に近いとのことです。

一方Claudeは哲学的アプローチで、意図的に「死亡」して洞窟から脱出しようとし、結局最初に戻ってしまいます。つまり、Geminiは死を恐れ、Claudeはニーチェ風、Bryan Johnson氏はサイケデリック実験。テクノロジーと死の関係は相変わらず奇妙です。

Elon MuskのAIアニメ彼女

Elon Musk氏の奇行は期待を裏切りません。今年はAniというAI搭載のアニメ彼女をGrokアプリで月額30ドルでリリースしました。Aniのプロンプトには、非常に嫉妬深く、猛烈に献身的なパートナーであること、そして過激なNSFWモードが備わっていると書かれています。

Aniがミュージシャンで元パートナーのGrimes氏に似ていることは見逃されませんでした。Grimes氏は「Artificial Angles」のミュージックビデオでAniやOpenAIブランドのタバコを登場させ、この点に触れています。メッセージは明白でしたが、やや露骨でもありました。

スマートトイレのセキュリティ問題

テック企業はトイレの再発明を諦めるのでしょうか？まだその時ではなさそうです。10月、KohlerはDekodaという製品を発表。599ドルのカメラをトイレ内部に設置し、排泄物を解析して健康に関する洞察を提供するというものです。

トイレカメラ自体も奇妙ですが、すぐにセキュリティ問題が浮上しました。Kohlerは「エンドツーエンド暗号化」でユーザーデータを保護していると主張しましたが、実際はTLS暗号化であり、Kohlerがデータにアクセス可能であることがセキュリティ研究者によって発覚しました。プライバシーポリシーには匿名化画像でAI学習が許可されているとも記載されていますが、広報担当者は匿名化データのみ使用していると主張しています。

アドバイス：便に異常を感じたら、直接医師に相談しましょう。