地政学的な懸念が高まる中、「クリスマスイブ」に貴金属が急騰、シルバーが70ドルの大台を突破、ゴールドは過去最高の4500ドルを記録！

特集：歴史の証人、新たな高値を更新！金価格が4500ドルを突破！

　　

　　2025年末、世界の貴金属市場は前例のない力強い上昇トレンドを迎え、金および銀の価格が連続して記録を更新しました。

は4500ドルの大台を突破し、 は一気に1オンス70ドルの重要な節目を突破、 も連続して史上最高値を更新し、 は3年ぶりの高値を記録しました。この上昇トレンドは地政学的リスクの高まり、FRB

　　シルバーの記録的な上昇トレンド

　　

　　この持続的な力強い動きにより、投資家たちはシルバーの将来に大きな期待を寄せています。専門家は、シルバー市場は長期的に供給不足が続いていること、さらに産業需要が伸び続けていることが価格急騰の核心的な原動力だと指摘しています。

　　加えて、リスク回避のムードの高まり、ドル安、利回り低下もシルバーをさらに後押ししています。Zaner Metals社副社長兼上級メタルストラテジストのPeter Grantは、シルバーの次なるターゲットは75ドルかもしれないが、年末の利益確定による短期的な調整には警戒が必要だと分析しています。

　　ゴールド価格が再び史上最高値を更新

　　

は0.9%上昇し、4500ドルの大台に迫り、史上最高値を更新して4484.5ドル/オンスで引けました。水曜日のアジア早朝取引でもゴールドは引き続き上昇し、東8区08:00（UTC+8）時点で一時4509.90ドル/オンスという記録的高値を付けました。今年に入り、ゴールド価格は約72%の累計上昇を記録しています。これは地政学的リスクの高まり、米国

　　プラチナとパラジウムの力強い追随

　　

　　ドル安とFRB利下げ期待という二重の影響

　　

　　今週は祝日の影響で取引時間が短縮されていますが、ドル全体の弱さはドル建ての金属を海外の買い手にとって一層魅力的なものにしています。

　　

　　三菱UFJフィナンシャル・グループのストラテジストは、この下落は一過性ではなく長期トレンドの継続だと述べています。米国の第3四半期GDPは年率4.3%と景気学者予想（3.3%）を上回りましたが、市場のドルに対する悲観的な見方を覆すには至りませんでした。むしろ、市場はFRBの利下げ期待に注目しています。

　　ロンドン証券取引所グループの試算によると、FRBが1月末の会合で利下げを見送る確率は87%ですが、金利先物市場では次の利下げが来年6月、2026年に25ベーシスポイントずつ2回の利下げが予想されています。

　　Silver Gold Bullの為替・貴金属リスク管理責任者Erik Bregarは、来年第1四半期には雇用市場の弱さからFRBが一層譲歩を強いられ、ハト派的な議長に交代して利下げが促進される可能性があるため、ドルはさらに下落するかもしれないと指摘しています。

　　さらに、米国の12月消費者信頼感指数は3.8ポイント低下し89.1となり、予想の91.0を下回り、ドルの下落圧力が一段と強まりました。

　　Jefferiesの米国チーフエコノミストTom Simonsは、GDPデータは一見強いものの、最終的には大幅に下方修正される可能性があり、第4四半期は明確な減速がみられるかもしれないとレポートで警告しています。

　　地政学的リスクの高まりがさらなる追い風に

　　地政学的な出来事が市場のリスク回避ムードをさらに高めました。米国は火曜日、国連に対してマドゥロ大統領の資源を奪うための「最大限の」制裁を実施すると通告し、ロシアは他の中南米諸国が次の標的になる可能性を警告しました。

　　米国のトランプ大統領は月曜日、最近押収したベネズエラの石油を保有または売却する可能性があり、関連船舶も差し押さえると発言。マドゥロに「最後のチャンス」だと警告し、目標はマドゥロ政権の退陣を強いることだと強調しました。

　　ウォールストリート・ジャーナルによると、米国は今週カリブ海地域に多数の特殊作戦用航空機と輸送機を派遣、少なくとも10機のCV-22オスプレイとC-17輸送機が含まれ、潜在的な軍事行動の選択肢が広がっています。

　　ウクライナ情勢では、ロシアのミサイルとドローン攻撃でウクライナ人3名（うち1名は子供）が死亡、大規模な停電が発生し隣国ポーランドが緊急で戦闘機を出動。ウクライナ軍は激戦地シヴェルスクから撤退し、ロシア軍は複数の要衝都市を脅かし「ドネツク弧」を形成しています。

　　ロシア国防省はウクライナの軍需・エネルギー施設に大規模な攻撃を行ったと発表、ウクライナのエネルギー省は複数地域で緊急停電が実施されたとしています。

　　さらに、ロシア外務副大臣Sergei Ryabkovは、ロ米外交官が関係障害の解消に関する会談を行ったものの、主要な問題は解決しなかったと述べました。これらの出来事は世界的な不確実性を一層高め、投資家を貴金属への避難に駆り立てています。

　　

　　全体として、今回の貴金属強気相場は経済要因だけでなく、地政学的リスクと金融政策期待が複雑に絡み合った結果です。水曜日はクリスマス・イブで欧米の多くの市場が休場または早期取引終了となり、重要な経済指標発表もなく、取引閑散が大きな変動や短期利益確定リスクを引き起こす可能性があります。しかし今後を見通すと、産業需要の持続的な増加とリスク回避ムードの継続により、貴金属市場には依然として上昇余地があり、投資家はFRBの動向や世界のホットな出来事に注視して潜在的なチャンスを掴む必要があります。

　　

編集責任者：朱赫楠