Visaが米国で銀行およびフィンテック企業向けにUSDC決済を開始

決済システムのVisaは、米国でのUSDCステーブルコイン決済の開始を発表し、現地の銀行や決済パートナーに対して、カード保有者のユーザー体験を変更することなく、24時間365日のオンチェーン決済へのアクセスを提供します。この新しい仕組みは、Visaのステーブルコイン統合と決済インフラの近代化を目指すパイロットプログラムにおける重要なマイルストーンとなります。

本プロジェクトの最初の参加者はCross River BankとLead Bankです。両機関はすでにSolanaブロックチェーンを通じてVisaとUSDCで決済を行っています。他の米国金融機関へのステーブルコイン決済のアクセス拡大は2026年に予定されています。

ステーブルコインの利用により、ブロックチェーンインフラを通じた資金移動がより迅速になり、週末や祝日を含む週7日間の決済可用性が確保されるとともに、財務運用のレジリエンスも向上します。

新しい決済フォーマットは、自動流動性管理や、従来の決済レールとブロックチェーンインフラの統合もサポートします。Visaおよびパートナーバンクによると、このようなソリューションは、高速性、透明性、正確なキャッシュフロー予測を必要とするFinTech企業や金融機関にとって不可欠なものとなりつつあります。

同時に、VisaはCircleが開発中で現在パブリックテストネットにある新しいL1ブロックチェーン「Arc」の設計パートナーも務めています。Arcプラットフォームは、Visaのグローバル商業オペレーションをオンチェーン環境でサポートするために必要な高スループットとスケーラビリティを目的として設計されています。メインネットローンチ後、VisaはUSDC決済にArcを利用し、自社のバリデータノードも運用する計画です。

Visaによると、11月30日時点で月間ステーブルコイン決済額は年率換算で35億ドルを超えています。同社は2021年からUSDCの実験を開始し、2023年には主要な決済ネットワークとして初めてステーブルコイン決済を恒久的に導入しました。7月には、決済インフラの近代化プログラムの一環として、追加のブロックチェーンやデジタル資産へのサポートも拡大しています。